2025 年 2025 巻 BI-027 号 p. 17-
都市計画の一環として交通基盤の拡充が進められているが、現状では幹線道路に交通が集中し、慢性的な渋滞が発生している。本研究では、この課題に対して三浦市を対象に、道路整備計画の効果を評価するためのエージェントベースのシミュレーションを構築した。人口や通勤通学者のマクロデータを反映し、市内外の移動状況を再現した。現状の道路網のモデルと新たな道路整備を仮定したモデルの主要道路の交通量を比較した結果、追加道路による主要道路の交通量に大きな変化は見られなかった。しかし一部区間では統計的に有意な差が確認され、追加道路が特定区間の交通量に影響を及ぼすことが示された。以上より、道路整備は全体的な渋滞解消には繋がらないものの、局所的な交通改善に寄与し得ることが明らかとなった。