2025 年 2025 巻 SWO-066 号 p. 07-
近年,大規模言語モデル(LLM)は多様な自然言語処理タスクで高性能を示すが,論理推論では事前学習知識への依存という課題が残る.本研究では,RDFスキーマ推論規則に基づくLLMの推論能力評価手法を提案する.Linked Open Dataから構築した実世界知識データと,実世界事実を改変した反実仮想知識データを用い,単一規則および複数規則を組み合わせた推論で,三段階の規則提示方法による規則内容提示の有無で評価を行った.結果,実世界データでは高精度を示し,欠損前提を事前学習知識で補完する挙動も確認された.一方,反実仮想データでは精度が低下し,LLMが語彙や命名規則に依存する傾向が明らかとなった.