主催: 人工知能学会
会議名: 第100回言語・音声理解と対話処理研究会
回次: 100
開催地: 国立国語研究所 講堂
開催日: 2024/02/29 - 2024/03/01
p. 210-215
テーブルトークロールプレイングゲーム(TRPG)は、複数の参加者がルールのもとでコミュニケーションをとりつつ、1つの物語を作りあげていく遊びである。TRPGには司会進行役であるゲームマスター(GM)の不足という問題がある。この問題に対して物語の筋道を示すシナリオに沿ってゲームの進行を行うよう試作したGM-AIでは、シナリオに記載のない話題への対応が課題として残っていた。本論文ではニューラルベースの応答生成を行う対話モデルを取り入れることで対応できる可能性を考えた。対話モデルを構築するうえで必要となるTRPGプレイの対話データを収集し、TRPGコーパスを作成した。TRPGコーパスを用いて対話モデルをファインチューニングし、生成した応答を評価することで、TRPGコーパスの有用性を検証した。対話モデルをGM-AIに導入してTRPGをプレイし、導入前と比較しどのような変化が生じるのかを報告する。