主催: 人工知能学会
会議名: 第100回言語・音声理解と対話処理研究会
回次: 100
開催地: 国立国語研究所 講堂
開催日: 2024/02/29 - 2024/03/01
p. 204-209
本研究のゴールは、ユーザが話したいことや興味のあることを共有できるパートナーとしてのコミュニケーションロボットの実現である。本研究ではこのロボットの実現に向けて、マルチモーダル特徴から対話中のユーザの発話意欲を推定する機械学習モデルと、推定結果に話題の転換/継続を基づいて話題を切り替えて質問を行う適応的対話戦略を開発して評価した。最初に、発話意欲推定モデルとして、対話中のユーザーの姿勢や発話音声の韻律特徴からユーザーの発話意欲を推定するモデルを訓練し、交差検定により精度を評価した。その結果、ランダムフォレストによる推定モデルで発話意欲の高低を72.8%の精度で正しく推定できた。次に、適応的対話戦略を27人を対象としたインタビュー対話を行い評価した。結果、開発した適応的質問選択戦略を用いた場合では、ランダムに話題の転換/継続を行う場合と比較して意欲の高い発話の割合が有意に増加した。