主催: 人工知能学会
会議名: 第101回言語・音声理解と対話処理研究会
回次: 101
開催地: 名古屋大学 オークマ工作機械工学館 講義室
開催日: 2024/09/09 - 2024/09/10
p. 51-56
日本語日常会話において、「たぶん」「まあ」は副詞応答として比較的よく使われる。『日本語日常会話コーパス』を観察した結果、これらの表現が応答の発話順番で使われている事例のうち、他者発話とオーバーラップする現象が高頻度(50%以上)で出現していた。TRPに到達する前から応答発話を始めたり、複数の聞き手が同時に応答したり、発話者の自分継続発話と応答発話が重複したりする場合が少なくない。本研究では、副詞応答でオーバーラップが生じる現象に焦点を当て、「たぶん」と「まあ」の計122例に着目して分析する。まず、これらのオーバーラップが出現する位置を順番交替の観点から分類し、その実態を明らかにする。次に、応答発話や重複先発話の構成を分析することで、オーバーラップ後の連鎖展開への影響を考察する。