人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会
Online ISSN : 2436-4576
Print ISSN : 0918-5682
101回 (2024/9)
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間投助詞・終助詞使用率と自閉傾向の相関分析 —『日本語日常会話コーパス』に基づいて—
鈴木 あすみ幕内 充小磯 花絵木山 幸子中村 仁洋
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p. 64-69

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抄録

自閉スペクトラム症は、対人・情緒的関係の障害等で特徴づけられる発達障害の1つであり、定型発達者との間では、コミュニケーションスタイルの違いから語用論的な障害が生じ得る。本研究では、適切な支援のための基礎研究として、情動情報や話者同士の関係規定に関わる間投助詞・終助詞に着目した。『日本語日常会話コーパス』とその話者の自閉傾向に関わる心理指標得点 (自閉症スペクトラム指数他4種) に基づき、間投助詞と終助詞を合わせた使用率と自閉傾向の相関を分析した。結果 (一部) として、心理指標データのある58名では、想像力を働かせるのが苦手な話者ほど「な」の使用率が高かった。また、関東出身男性19名では、コミュニケーションが不得手な話者ほど「さ」の使用率が低かった。自閉傾向の高い話者においては、他者とのコミュニケーションを指向しない傾向が、「な」の多用や「さ」の少なさという形で表れていると考えられる。

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