主催: 人工知能学会
会議名: 第102回言語・音声理解と対話処理研究会
回次: 102
開催地: 国立国語研究所 講堂
開催日: 2024/11/28 - 2024/11/29
p. 11-15
本発表では、九州と沖縄の方言に特化した対話システムの開発について、言語学的観点から精度向上の手法を提案し、そのシステムの継承支援への応用について展望を論じる。方言は低資源言語であり、精度がデータ量に依存する大規模言語モデル(LLM)による生成は困難とされている。しかし、言語学的観点から言語知識をプロンプト入力もしくはファインチューニングすることで精度を飛躍的に上げられることを示す。この方言対話システムの展望として、言語継承支援への応用が考えられる。現在、当該方言は消滅の危機にあり、対策が急がれている。当該システムを搭載した方言学習コンテンツは、その対策の一助となる。また、このシステムは方言によるミスコミュニケーションを解消するツールとしても有効であり、言語文化の多様性を維持する社会の実現に寄与できると考える。