主催: 人工知能学会
会議名: 第102回言語・音声理解と対話処理研究会
回次: 102
開催地: 国立国語研究所 講堂
開催日: 2024/11/28 - 2024/11/29
p. 80-85
悩み相談において、傾聴者が行う「気づきを促す質問」は、相談者にとって非常に重要な役割を果たす。こうした質問によって、相談者は自らの内面を深く振り返り、新たな視点を得ることで、単に解決策を提供される場合よりも問題の理解が深まり、さらに自主的な行動を促される。しかし、対話システムにこのような気づきを促す機能を持たせることは容易ではない。気づきを引き出すプロセスは、悩みの種類やその原因によって異なり、複雑な思考を必要とするためである。本論文では、大規模言語モデルが生成した戦略的知識に基づいて推論を行う戦略的思考の連鎖(Strategic Chain-of-Thought)を活用する事で多様な悩みを持つ相談者に気づきを促す傾聴対話システムを提案し、この課題に取り組む。実験では、子育てに関する悩みを題材として、この対話システムの有用性を検証する。