主催: 人工知能学会
会議名: 第103回言語・音声理解と対話処理研究会
回次: 103
開催地: 早稲田大学 40号館 グリーン・コンピューティング・システム研究開発センター
開催日: 2025/03/20 - 2025/03/22
p. 139-144
大規模言語モデル(LLMs)を用いたマルチエージェントシステムは、人間のような自然な対話の実現に課題を抱えている。従来のシステムはテキストベースの単純なターンテイキングモデルに依存し、人間の会話に不可欠な社会的相互作用の繊細さを十分に再現できていない。本研究は、この課題に対し、会話分析研究で発見された話者交代の原理を応用した「Murder Mystery Agents(MMAgents)」フレームワークを提案する。隣接ペアとターンテイキングに基づく話者選択メカニズムと、エージェントの内部状態を考慮した自己選択手法を導入し、マーダーミステリーゲームを通じて対話の一貫性と推論能力を大幅に改善した。実験結果は対話破綻の減少と情報共有の向上を示し、人間の会話規範を取り入れたマルチエージェント対話システムの新たな設計指針を提供する。