主催: 人工知能学会
会議名: 第105回言語・音声理解と対話処理研究会
回次: 105
開催地: 東京科学大学大岡山キャンパス 蔵前記念会館 くらまえホール
開催日: 2025/11/10 - 2025/11/11
p. 169-173
本稿ではこれまで我々が開発してきた傾聴対話を人間2名とロボットとの3者での傾聴に拡張したシステムを利用した社会実装について報告する。精神科デイケア施設の活動内で、リハビリテーションの目的のために対人交流が重要であるものの、利用者同士の日常会話に繋がらないこともしばしばである。そこで、多人数傾聴ロボットを導入して互いに話す役割と聞く役割を3分ずつ行う活動を実施した。その結果、感情がPleasureとArousalについてそれぞれ有意に会話前後で改した。さらに、会話の前よりも後のほうが有意に相手のことをよく知れた・より親しみをもったという評価を得た。ロボットが患者同士が慣れない会話開始直後から質問を活発に行うことができるため場をつなぐ貢献ができることが示唆された。