主催: 人工知能学会
会議名: 第95回 言語・音声理解と対話処理研究会
回次: 95
開催地: オンライン
開催日: 2022/09/15 - 2022/09/16
p. 94-97
大衆文化などのメディア・テキストの消費において、消費者の能動的解釈およびそれによってもたらされる快楽(pleasure)が関与していることは指摘されて久しい。一方、ソーシャルメディアで観察される消費者の感情は、「pleasure」というワードが彷彿させるポジティブなものだけでなく、時には怒りや悲しみなど、ネガティブな感情も含む。本研究は、日本の女性向けのスマホゲームを事例に取り上げ、ゲームのキャラクタを演じる声優がパーソナリティを務めるラジオ番組に送られた感想メールや、SNS上でのプレーヤーによるディスカッションなど、ゲーム内で更新されるストーリーをめぐる消費者同士のインタラクションを分析的に記述する。そこから、メディア消費というコミュニケーション行為において幾多の感情が複層的に生成・表出され、さらには想像上のファン・コミュニティを構築するための資源として用いられる様相を考察する。