主催: 人工知能学会
会議名: 第97回研究会言語・音声理解と対話処理研究会
回次: 97
開催地: 東海大学湘南キャンパス
開催日: 2023/03/08 - 2023/03/09
p. 50-55
対話システムが人と継続的に会話する際は、過去のやりとりを踏まえて応答を生成することが望ましい。しかしながら、応答生成の学習に用いる会話ログには、過去の対話文脈を踏まえた応答は必ずしも多くはなく、現在文脈に追加入力して応答生成モデルを学習するだけだと、十分に文脈を尊重した応答が生成されづらい。そこで本研究では、過去文脈をより参照した応答生成を行うためのマルチタスク学習手法を提案する。検索された過去文脈を強く参照するタスクとして、現在文脈と最も類似した過去文脈を生成するタスクを解く事例を追加し、応答生成モデルを学習する。追加タスクを解く事例は応答生成データセットにおける過去文脈抽出結果から構築可能で、追加のアノテーションが不要である。実験では大規模なTwitterデータセットを用いて学習・推論を行い、提案するデータ拡張手法によって訓練されたモデルの応答性能を検証した。