人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会
Online ISSN : 2436-4576
Print ISSN : 0918-5682
97回 (2023/2)
会議情報

話者がしている活動について断りを入れる前に用いる謝罪表現「ごめん」
梁 勝奎
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 62-67

詳細
抄録

日常会話によくみられる謝罪表現「ごめん」は、どの位置に用いられるかによって相互行為上の働かいが異なる。本研究では自分がすることの影響を受ける可能性がある人にそのことを知らせる「断りを入れている表現」と一緒に使われる「ごめん」に注目する。特に、断りを入れる発話の前に位置する「ごめん」がどのような相互行為上の働きをしているかについて会話分析の手法を用いて考察する。上述の位置における「ごめん」は、単に次の発話の内容だけに関係があるのではなく、断りを入れる目的になる活動がどのようなタイプのものであるのかも重要だと考えられる。断りを入れる発話形式や内容は様々であり、その中でも話者個人の領域に関することではなく、相手の領域や他の参与者と共有する領域とかかわりがある場合、謝罪表現「ごめん」を発話の前に用いて自分には権限があまり権限がないけど行っていることを示す資源として使われていると考えられる。

著者関連情報
© 2023 人工知能学会
前の記事 次の記事
feedback
Top