主催: 人工知能学会
会議名: 第98回言語・音声理解と対話処理研究会
回次: 98
開催地: 公立はこだて未来大学
開催日: 2023/09/03 - 2023/09/04
p. 72-79
ラポールとは,他者と調和している感覚である.我々は,会話中の非言語行動から話者の主観ラポールを自動的に推定することを目指している.一般的に,ラポール推定は回帰問題として定式化される.しかし,主観ラポールの評価傾向には個人差があるため,会話中の非言語行動とラポール評価のマッピングを学習することは容易ではない.この問題を軽減するため,ラポール推定をランク学習として定式化する方法を提案する.ランク学習では,ラポール評価の値ではなく,会話相手間のラポール評価の順序ラベルを訓練に用いるため,評価の個人差の問題を回避できる.提案手法の有効性を検証するために,主観ラポール評価を含む初対面会話と友人間会話から構成されるデータセットを用いた.特徴量としては知覚者の発話区間の音声と表情を使用した.実験の結果,提案手法は回帰よりも高い精度で同一の知覚者の会話をラポール評価の高い順に順序付けできることが示された.