農業機械学会誌
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技術論文
内側収穫ロボットを用いたイチゴ果実への接近収穫方法の検討
林 茂彦山本 聡史齋藤 貞文山下 智輝田中 基雅坂本 直樹柏原 直哉菅野 重樹
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2012 年 74 巻 4 号 p. 325-333

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抄録

イチゴの吊り下げ式高設栽培において,果実の外側と内側視点の違いによる重なり状況を調査した結果,内側視点では収穫対象果実のおよそ9割が最前に位置し,果実全体を認識できた。次に,果実の内側から接近可能な収穫ロボットを用いて収穫性能試験を行った。内側収穫ロボットは,吊り下げ式高設栽培ベッドの真下を走行し,1台のマニピュレータで左右両側の果実を採果することを特徴とする。果実の検出成功率および採果成功率は‘紅ほっぺ’で68.7%および50.6%,‘あまおとめ’で75.0%および63.0%であった。外側視点に比べ内側視点の方が果実の視認性に優れ,このことが採果成功率の向上に寄与したと推察された。

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© 2012 農業機械学会
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