農業機械学会誌
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籾の脱〓性に関する研究
脱〓機の機構と籾の脱〓性品種間差異について
中村 忠次郎
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1954 年 15 巻 3-4 号 p. 114-116

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抄録
1) この実験は衝撃式籾剥機を用いて籾の脱〓性の品種間差異を明かにする為に77種を供試して行つたものである。
2) 而して品種間脱〓性の大小を確然と判別する一手段として低位脱〓作用域と中位脱〓作用域, 即ち加速盤のR. P. M. 1800と2300の下に実験を進めた。
3) この実験の範囲内では早生, 中生種は一般に晩生種に比べて脱〓性が大きいもののように見受けられた。
4) 籾粒の大小と脱〓性の大小との関係は判然としないが, 同一密度のものであれば大粒は稍々脱〓が大きいもののようである。
5) 品種から言えば早生朝日, 農林1号, 真珠1号, 中生朝日等が概して脱〓性の大きい傾向を示し, 銀坊主, 農林31号, 農林2号, 名倉穂等は一般に小さく, その他は中間の数値を示していた。
6) 脱〓性の大小は同一品種に於いても, 相当の幅があるもののようである。
7) 又何れの品種に於いても不完全籾 (粃及び粃に近い籾) は完全籾 (完全豊満な籾) に比較して脱〓性が小さい数値を示している。
8) 以上の実験及び結果は厳密に言つて脱〓性の本質全部を追究したものではないので, 更に進んで脱〓に要する「力量」を簡易迅速に測定する方法を研究すべきであろう。
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