1976 年 38 巻 2 号 p. 183-190
本報はトラクタ用ロータリ耕うんなた刃の重要な要素である刃縁曲線について, その基本的性質を考察し, 特に草わらの処理性能の面からすき込み性と刃縁曲線の関係を論じた。この考察に基づいて水田耕起に重要な役割を果たすすき込み性を満足させるような刃縁曲線を求める方法を論じた。この方法にしたがって求めた刃縁曲線は排絡角が刃の先端部から根元に向ってほぼ直線的に増加しており, 実験結果にも合致する。この結果から刃縁曲線の式を極座標表示で導いた。この式を用いれば, 設計者がなた刃の仕様に応じて刃縁曲線を自由に設計することが可能になる。さらに, この刃縁曲線を実際に用いた各種のなた刃設計の例を示した。