小形ディーゼル機関の燃焼室は, 市場要望にこたえるため数多くの種類が開発されたが, 燃焼そのものが Black Box であるため多くは実験計画法的な研究開発が行われている。農用ディーゼル機関はシリンダ径が100mm以下が殆どであり, 予燃焼室式, 渦流室式, 直接噴射式の三つに大別される。これらはそれぞれ特長があり, 即ち予燃焼室式は低騒音・低エミッションに, 渦流室式は高速機関用た, 直噴式は低燃費に大きな利点があるが反面それぞれ欠陥もあるので, 今後省資源・低公害で低コストの農用ディーゼル機関を開発するには, 燃焼室のみならず発想の転換による新システムのエンジンへの導入が必要である。