抄録
現在肉眼鑑定によって行なわれている玄米の品質検査を, 光学的方法で非破壊的におこない, その検査結果の客観性を高め, かつ検査実務を簡便化することを目的として, 光透過法に画像情報処理システムを併用することを標検討した。
すなわちうるち玄米に光線を照射し, 透過光がつくる画像の濃淡を画像情報処理装置を使用して12色の色彩で分級表示したところ, 完全粒・被害粒・未熟粒などは, 粒質 (透明度) に応じて多彩に色分けされうることを知った。肉眼鑑定をする場合でも, 米粒を直接観察するよりは,色彩で分級された画像の濃度情報をみて玄米の品位を決定する方が簡便で疲労が少ない。
さらに米粒がつくる総投影面積に対する同一濃度領域の面積比を測定することで, 品質評価が可能である。
また画像情報処理装置によらず直接肉眼鑑定をする際には, 偏光を利用して米粒の透明度を比較することが有効であることをしった。