1984 年 46 巻 2 号 p. 197-204
第1報, 第2報では, エンジン負荷, 供給量とその変動の3入力論理演算から走行速度と供給量設定値を制御するディジタル・サンプル値適応制御系を開発し, 圃場実験で良好な制御結果が得られたことを報告した。本制御系は, ループ内に種々の線形・非線形要素, サンプラ, 0次ホールド, 論理演算部を持つ多入力多出力髄御であるため, 非線形サンプル値制御系として解析する必要がある。そこで, シミュレーションで制御特性を解析した。シミュレーションの結果は実験結果と良く一致した。この結果から, 供給量初期設定値を低く, その不感帯幅を狭く, 走行速度変化率を約0.026m/s2に設定すれば, 各部は速く定常状態に入り, 良好な制御結果が得られる。