農業機械学会誌
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ヒマワリ油粒の燃焼
新家 憲吉田 富穂
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1986 年 48 巻 1 号 p. 15-23

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抄録
ヒマワリ油 (一般に植物油) をディーゼル機関の燃料とするとき, 低温時の始動性能が軽油に比べて極端に悪い。さらにアイドル運転時に未燃焼のカーボンが燃焼室に堆積する。これらの問題はヒマワリ油自身の性質と思われる。そこで燃焼上, 軽油と比べてどの様な違いがあるのか調べた。すなわち燃焼針の先端につるされた油粒を電気炉に入れて燃焼の状態を観察した。使用した燃料の種類はヒマワリ油, 軽油, ヒマワリ油メチルエステル, 魚油メチルエステルである。
結果として, ヒマワリ油の油粒径が, 軽油の油粒径と同じでも着火おくれは, はるかにヒマワリ油の方が長い。これが低温始動性悪化の原因と考えられる。さらに電気炉の温度が下がってくると, ヒマワリ油粒は燃焼しないでセノスフェア (網目状組織) を形成する。これがアイドル運転時のカーボンの堆積の原因と考えられる。
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