1989 年 51 巻 6 号 p. 45-53
H社製の4WD-4WSトラクタの旋回特性について各車輪に働く駆動力とコーナリングフォースに注目し, 進行方向及び横方向加速度による慣性力さらにけん引力によって発生する動的な重量転移を考慮して3本の運動方程式をたてた。これをルンゲ・クッタ・ジル法によって解いて重心点の横滑り角と重心周りのヨー角速度の時間変化が求められる。操舵角, 走行速度, 重心点の位置及びタイヤと路面の摩擦係数に対するこのトラクタの旋回挙動を電子計算機によるシミュレーションによって求めた。そのシミュレーションの検証のために, トラクタの旋回半径を求める旋回実験を行い, 理論と実際の対比を試みた。