1993 年 55 巻 1 号 p. 75-83
青果物の過熟・老化・腐敗などに伴う細胞組織の変化は, 電気特性の変化として明確に現れる。本報では, 青果物の品質の差がインピーダンス特性に顕著に現れる低周波領域でも非破壊測定でき, 大きさや形状に関係なく簡単に平均的な電気特性が判別できる浸漬比較法を提案した。この方法は青果物を水中に沈めて電気特性を測定し, 水のみの電気特性値と比較して品質判定する方法で, モモ・カキ・ナシ等について適用の可能性を追究した。水―果実系のインピーダンス特性を検討した結果, いびつな形状の青果物も大きさに関係なく平均的性質が測定でき, 非破壊で鮮度等の品質を判別できることが分った。