農業機械学会誌
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人間工学に基づくトラクタの設計要素に関する研究 (第1報)
座席とペダル配置について
シキャツト J. C. V.御手洗 正文木下 統木田 博隆
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2001 年 63 巻 6 号 p. 51-56

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抄録

本研究の目的は, トラクタの運転操作, 特に事故防止のための緊急操作等における最適な座席高とブレーキペダル, クラッチペダルの配置を明らかにすることである。まず, 設計要素の異なる3種類の市販トラクタ (大, 中, 小型) を用いて, ブレーキ並びにクラッチ操作所要時間を解析した結果, 操作所要時間は座席からペダルまでの距離, 操縦者の性別, 背丈, さらにペダル配置の違いによって大きく異なる事が明らかになった。そこで, 次に座席高さとペダルの配置を任意に変えることのできる運転操縦装置を試作し, 緊急操作を想定した操作所要時間を解析した結果, 緊急操作に最適なペダル配置はトラクタの中央 (座席背面中央) から±15°の角度で, 座席高410mmとペダルと座席背面中央との距離900mmの場合と座席高470mmでペダルとの距離が800mmの組合わせである事が明らかになった。

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