日本各地 (北海道を除く) で計画されているバイオガスプラントの多くは, 発酵残渣である消化液を固液分離したあとに浄化処理する方式である。しかし, この場合には浄化処理のコストが大きな負担となると指摘されている。そこで本研究では消化液の農業利用性について検討した。水田作物の肥料としての施用実験を行って, 米麦の生育・収量・品質とともに, 消化液を施用することにより発生するアンモニア等の環境負荷物質について測定し, 消化液の施用方法について考察した。その結果, 米麦の生育に対し消化液は化学肥料とほぼ同等の効果があることを確認し, 土中施用することでアンモニアの発生を抑えることができることを示した。