農業機械学会誌
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ヘリコプタベースリモートセンシングのための飛行モニタリングシステム
杉浦 綾野口 伸石井 一暢寺尾 日出男
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2005 年 67 巻 2 号 p. 86-92

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抄録

産業用無人ヘリコプタにおけるリモートセンシング作業は地上のオペレータによって行われるため, 作業の進行具合をその場で正確に把握できない。したがって, 飛行状態や作業状況を飛行中に確認できなければ, 効率の良い作業は見込めない。そこで, 本研究ではRTK-GPSによる機体位置や慣性センサ, 地磁気方位センサによる姿勢情報を無線によって地上局に伝送し, 作業中に飛行状態やセンシング状況をリアルタイムモニタリングできるシステムを開発した。飛行中のヘリコプタは画像を取得すると位置, 姿勢データを同時に計測し, 各計測値は機体に搭載した無線機によって地上に伝送される。地上局ではこれらのデータを受信し, 開発したソフトウェア上で機体の姿勢や位置などが視覚的に表示される。また, センシングした領域をその都度確認することができるので, 効率良くむらのない作業が可能となる。開発した飛行モニタリングソフトは仮想的な3次元空間で作業状態を表示し, ほ場やヘリコプタを自由な角度から視認できる。さらに, センシング作業のみならず, 本来の使用方法である農薬散布作業にも対応できるよう工夫した。

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