農業機械学会誌
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アフリカ地域・小規模農家への対象農業機械開発に関する研究 (第1報)
モロッコにおける改良畜力プラウについて
辻本 壽之櫻井 文海
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2006 年 68 巻 2 号 p. 77-83

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抄録

アフリカ地域・小規模農家を対象とする農業機械化はヨーロッパ先進国からの大型農業機械の導入によるのではなく, 経済的に適切なものでなければならない。モロッコの小規模農家は, 丘陵地, 傾斜地での畜力プラウの利用が多く, 狭いほ場の有効利用, 適時作業の実施, 過酷な労働からの解放などの課題を有している。この様な状態を改善するために, 畜力プラウの操作安定性を良くし, けん引抵抗と作業走行低下率について畜力用プラウの耕起性能特性の実験を行った。
ほ場実験結果によりけん引抵抗力は, 改良畜力プラウ長床の場合731Nであり, 操作性については, 作業走行低下率によると, 改良畜力プラウの長床が13%であり, 最も操作安定性が良い結果が得られた。C. C. (Cover Crop Cultivation) と呼ばれる, 耕深が浅い耕起作業が広く行われている状況の中で操作性の良い改良畜力プラウの長床が最も疲労も少なく安定しているとのオペレーターからの評価を得た。

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