抄録
可搬型粗砕木質用微破砕機を開発し, エタノール生産のための前処理として微破砕材料を亜臨界水処理に適応させる観点から試験した。微破砕機は, 同軸上で回転するフレール刃ロータおよび丸孔または長丸孔の回転箭から構成される。実験要因として, 篩孔径, ロータおよび篩回転数, 材料供給速度, 材料含水率をとりあげ, 比所要エネルギと微破砕材料の指標 (フラクタル次元および加重平均粒径) により評価した。その結果, 篩の孔径および材料含水率を有意要因と特定した。微破砕材料のフラクタル次元は加重平均粒径と負の相関関係にあり, 実用的な指標として用いることができることを示した。実験を行った範囲での微破砕機の最適運転条件, つまり, 低所要エネルギで最も細かい微破砕材料を産出する運転条件は両方の篩において, ロータ回転数: 1,750rpm, 回転篩回転数: -30rpm, 篩目孔径: 1.5mm, 材料供給量: 10gs-1. 材料含水率: 15.5%d.b. であった。