抄録
農用ロボットのナビゲーションにおいて, 障害物を認識し, 適切な衝突回避動作を採ることは安全な作業を行う上で重要である。本研究では, 牧草収穫作業のロボット化を目指し, 全方位カメラを用いて, 収穫対象でかつ障害物になるロールベールを画像から抽出し, ベールの位置推定する方法を考案することを目的とした。
画像処理により最大40m遠方まで約90%のロールベールを認識できた。さらに, 判別分析を導入することで, ベール位置の推定精度を向上させた。カメラからロールベールまでの距離推定の精度はR. M. S. で1.07mであった。この精度は牧草地においてロボットがロールベールをリアルタイムに認識するに十分な精度と判断された。