2008 年 70 巻 5 号 p. 83-91
一周波RTK-GPS受信機をコンバインに搭載して高低差マップを作成し, レーザーレベルで得たマップとの比較を行った。衛星配置がよい条件 (PDOP<2.0) での標準誤差の最小値は, コンクリート路面の空き地で5.1mm, 水田作後の圃場で7.7mmであった。PDOPの上昇とともに測位値に周期変動が観測されたことで, 標準誤差はそれぞれ最大で16.9mmおよび13.6mmとなった (PDOP≒3.0)。車両の行程間方向への範囲を広げた移動平均によって, 標準誤差はコンクリート路面の空き地で最大47%, 水田作後の圃場で最大34%減少した。しかしながら水田作後の圃場においては微地形情報の消失を考慮する必要があり, この指標として誤差高低変動比を最小にする移動平均範囲は, 6.0m×6.0mであった。コンクリート路面の空き地において, 基準点の高さを3~4分毎に更新して補正することにより, PDOPが高い時間帯で標準誤差は17%減少した。