人工臓器
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人工弁の理化学的試験
堀部 隆大場 琢磨
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1972 年 1 巻 3 号 p. 219-223

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抄録

現在使用されているball弁, djscoid弁, leaflet弁について, 材質の分析, 化学的溶出, 耐久試験後の破損, 磨粍量, 漏洩および最小開閉圧力, 表面アラサについて測定した.
人工弁の構成材料はテフロン, ポリアセタール, ポリエステル, ポリプロピレン, チタニム合金, コバルト・クロム合金, ステンレス鋼で, 化学的溶出は少なく安定であった. 耐久試験ではdiscoid弁の磨粍量はやや多く最大62mgで, ball弁, leaflet弁は僅かであり, Starr弁は枠のcloth coverに亀裂を生じた他は, すべて正常な開閉機能を示し, 開閉圧力も0.01~0.1kg/cm2で円滑な動きを示し, 表面アラサはWada弁の条痕の10μを除けば, 他は3μ以下で, Starr弁のballは0.13μ, DebakeyおよびBeallのPyrolite carbonコーティングは0.4μで極めて円滑であった. 以上の理化学的試験に基づいて人工心臓弁の基準案を作った.

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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