人工臓器
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デマンドペースメーカーの感度と心拡張期時相の関係
横山 正義和田 寿郎河村 剛史長柄 英男日野 恒和板岡 俊成笠置 康白楽 淑
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1982 年 11 巻 3 号 p. 804-806

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抄録

デマンドペースメーカーのデマンド機能は不応期を除き, ほぼ一定に保たれている. しかし, デマンドペースメーカーを植え込まれた患者で, 自己脈がセンシングされたり, されなかったりする場合がある. この現象を良く検討すると, R-R'間隔が狭くなればなるほど, R'波はセンシングされやすくなることがわかった. 心内膜心電図または心筋電極より, 直接R波を記録しながら, R-R'間隔をいろいろ変化させ, R'波の高さを検討した. R'波は不応期直後のときが最高となり, R-R'間隔が延長すればするほど, R'波は低くなる. いわゆる心拡張早期には心臓が収縮状態で心筋が厚いため, R波波高が高くなるものと考えられる.この現象は, 右心室のみならず, 左心室に縫着した心筋電極においても, 同様と認められた. これより, 拡張早期のR波はセンシングされやすいことが理解される.

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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