抄録
単極型demandペースメーカの植え込み後, 経皮的通電神経刺激装置(TENS)を用いてelectromagnetic interference (EMI)作動条件を検討した。TENS電極とPM電極ベクトルが平行し接近しているほどTENS刺激がペースメーカーに入力しやすくEMIを起こすといえ, EMI発生のためspike on Tも認めた。TENS刺激時の心内電位, その周波数分析上でも, TENS電極とペースメーカー電極ベクトルが平行であれば, 高電位で低周波数成分を有しており, ペースメーカーへ入力しやすいといえる。TENS電極がgenerator上にあると, TENS電極とペースメーカー電極ベクトルの方向に関係なくEMIが生じgenerator上では使用すべきではないといえる。EMI発生要因として, TENS刺激の他にそれによって誘発された高電位の筋電位の要素も考えられ, どちらが主体かはさらに検討を加える必要がある。