人工臓器
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徐放性制癌剤複合体の研究
―ポリグリコール酸製剤について―
平野 誠若狭 林一郎岩 喬中原 理人
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1982 年 11 巻 6 号 p. 1179-1182

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抄録
徐放性制癌剤として, 5F-u-PGA針とMMC-PGA針を作製した。in vitroの実験では, 5Fu-PGA針の徐放性に関する検討を行なつた。その結果, PGAの重合度を高めることによつて, あるいは5Fu濃度を高めることによつて徐放性能の高まることが判明した。そこで径1.5mm, 長さ1cmの30%5Fu-hiPGA針(5Fu 6mg含有)を用いて動物実験を行なつた。体重148-168g, 5週齢の雄ドンリユウラツトを使用し, 腫瘍はAH130腹水肝癌細胞をラツト側腹部皮下に移植し, 作製した。
5Fu放出瀬は約9日間で, 血中灘は極めて低値を示した。抗腫瘍効果の実験では, 投与10日目のT/C%で1.7を示し, 極めて有効と判定された。以上より, 本剤が癌局所療法として有用であると思われた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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