抄録
Rheumatoid Arthritis (RA), Cryoglobulinemia (CF)患者の治療に対し臨床上多くの有効例を数えているcryofiltrationの臨床結果を解析するうえで, 定量的なdataに基づくcryofiltrationの特異性を把握することが必要と思われる。そこで, 正常及び患者血漿を用いたin vitro cryofiltration testを行ない, macromolecular substancesの膜透過機構の違いによる血漿成分の低温下での挙動を検討した。さらに, 温度変化, 膜孔径のcryofiltrationに与える影響を正常血漿を用いた実験から考察した。正常血漿例では, 膜間圧力差の上昇は温度に依存することが認められ, さらにグロブリンの低温下での除去が得られた。疾患群でのcryofiltration test結果は正常血漿例に比し膜間圧力差の著しい上昇と疾患に特異的な物質の除去が認められ, 本方法の特異性が確認された。