人工臓器
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ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリマー(PVC-g-MnG)と血液との相互作用
森 有一長岡 昭二滝内 秀文丹沢 宏西海 四郎
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1982 年 11 巻 6 号 p. 971-974

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抄録
高分子の排除体積効果を利用して血液成分の付着を抑制する材料の開発を目的とした。種々の鎖長のポリエチレンオキサイド(PEO)鎖を側鎖として有するメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(MnG, EO重合度(n)=9, 23, 100)をポリ塩化ビニル(PVC)に光グラフトすることによりPVC-タ-MnGポリマーを合成した。血液成分の付着は上記ポリマーを内面にコーティングしたPVCチニーブを家兎の頸動静脈間に挿入した後, 付着血液成分量をアミノ酸分析により定量すると同時に付着血液成分のモーホロジーを走査電顕により観察した。PEO鎖長が長くなるにしたがって血液成分の付着は著しく減少し, 柔軟性および親水性に富むPEO鎖の排除体積効果により血液成分の材料表面への吸着が顕著に抑制されることがわかった。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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