人工臓器
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SLE患者のPlasmapheresisの経験
西 紀仲野 孝平野 尚橋本 武則松浦 寛松本 隆文
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1983 年 12 巻 1 号 p. 283-285

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抄録
今回我々は, ステロイド療法及び免疫抑制剤併用療法にもかかわらず症状の増悪が見られたSLE患者3例にPlasmapheresis(以下P. P.)を試みた。2例の患者は, SLEによる腎不全にて透析療法を併用しており, 他の1例は腎障害は認められないが活動性SLE患者である。免疫複合体(以下CIC)陽性の患者は, P. P. により明らかな尿量の増加と血清クレアチニンの低下が認められ, 現在透析回数の減少を図っている。他の1例は, CIC陰性患者で, わずかの尿量の増加を認めたのみで透析離脱はできなかった。腎障害を認めなかった活動性SLE患者は, 顔面蝶形紅斑が減少しRaynaud現象は, 消失した。以上の結果より, 症例数はいまだ少ないが, SLE患者のP. P. の適応としてCIC陽性であり, 急性増悪した腎不全に有効と思われる。またステロイドの併用療法も必要であった。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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