人工臓器
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膠原病と血漿交換
雨宮 秀博佐藤 博司
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1983 年 12 巻 1 号 p. 293-296

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抄録
種々の膠原病20例(SLE14, PSS4, MCTD1, DM1)にPlasma Exchange(PEx)を行なった。SLEでは発熱, 皮疹, 関節痛, 筋力低下, 漿膜炎などの速やかな改善が得られた。さらに, ループス腎炎による重度腎機能障害を有する8例中6例に腎機能の改善が認められたが, ネフローゼ症候群を呈する5例では尿蛋白排泄量に変化をみなかった。PEx有効例はIC陽性例に多く, ICの存在をPEx適応条件の1つにしてよいものと考えられた。PSS, MCTDでは指尖部難治性潰瘍を伴うRaynaud症状に対してPExを行ない, 潰瘍・疼痛の軽減, Raynaud症状出現頻度の低下が認められた。効果の認められた症例ではいずれも高r-Globulin血症, 血漿粘度の増加を有しており, これらの測定が良い指標になるものと思われた。PExを遠心分離法とDouble filtration plasmapheresis法にて行なったが, 両方法間には臨床的にも, 検査所見の上でも差はなく, 後者では補充液としてのAlbuminを前者の1/2以下に減らすことが可能であった。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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