ガラスおよび組織培養用プラスチックシートを素材として, それにポリ(2ーヒドロキシエチルメタクリラート)・ボリメチルメタクリラート・(ポリスチレン)ー(エチレン/1ーブテン共重合体)ブロックポリマーをいろいろな厚さにコーティングした試料を作製した。これら試料につき, 水に対する接触角の測定, 上皮性細胞の培養, 血小板の粘着を検討した。接触角はコーティングの厚さによって影響を受け, その程度はポリマーの種類によって異っていた。400nm以上の厚さではs細胞はポリマー本来の性質に従った付着・増殖の挙動を示したが, 40nm以下では未処理の対照試料とほとんど同様となった。血小板との反応でも40nmでは下地の素材の影響が示唆された。従って, コーティングにょってポリマーの本来の性質を発揮させるためには400nm以上の厚さにすることが望ましいと思われる。