1983 年 12 巻 1 号 p. 54-57
長時間の日常活動時の心調律の詳細な検討を目的として, ペースメーカー植え込み症例に24時間心電図記録を行なった。対象は, 通常のペースメーカー外来におけるチェックで異常が発見されなかったリチウム型ペースメーカー植え込み患者36例である。ペーシングモードは, VVI27例, VOO1例, AAI2例, DVI2例, VAT 4例であった。VVIペースメーカー27例では, sensing failureが10例(37%)に, うち3例にspike on Tが認められた。またoutput failureが16例(59%)に見られた。これは, 心電図記録上全例noiseが見られ, 筋電位によるoversensingと考えられ, これによる心停止時間は0.8~4.4秒, 平均2.0秒であった。またpacing rate errorが3例に見られた。VVIペースメーカー27例中, ペースメーカーが正常に機能していると考えられたのは, わずか9例(33%)のみであった。本法は日常診療時見つける事が出来ない, ペースメーカー機能不全並びに不整脈の検索に有用であると考えられた。