人工臓器
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携帯型人工膵島の開発
―微小針型ブドウ糖センサーの特性:H2O2型vs O2型―
七里 元亮河盛 隆造鮴谷 佳和伯井 信美山崎 義光野村 誠菊池 幹雄阿部 裕
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1983 年 12 巻 2 号 p. 556-559

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抄録
著者らは既に過酸化水素電極を用いた微小針型ブドウ糖センサー(H2O2型ブドウ糖センサー)を開発し, その有用性を報告してきた。今回センサー生体内留置時に問題となるセンサー出力の温度依存性および酸素命圧依存性についてin vitro, in vivo実験を行ない, そのセンサー特性を酸素電極を用いて作成したブドウ糖センサー(O2型ブドウ糖センサー)特性と比較検討した。
温度依存性に関し, H2O2型およびO2型ブドウ糖センサーに差を認めなかった。酸素分圧依存性に関しては, H2O2型は酸素分圧30~150mmHgでは出力変化が軽微であり, 一方O2型な酸素依存性が大であった。 H2O2型は皮下組織内留置時生理的範囲での局所酸素分圧変化に影響されることなく, 血糖に―致した出力を示した。一方O2型の出力は局所酸素分圧の変動に大きく影響された。以上よりH2O2型ブドウ糖センサーは携帯型人工膵島システムの計測部門としての有用性が強く示唆された。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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