人工臓器
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シリコーンホローファイバー型膜型人工肺の臨床的検討
森本 保宮村 一男大井 勉坂井 隆山崎 順彦草川 実桑名 克之井上 政昭
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1983 年 12 巻 2 号 p. 594-597

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抄録
教室ではシリコーンホローファイバー型膜型人工肺(以下SHMOと略)の開発をすすめてきたが, 今回開心術への応用を目的に2.4m2のSHMOを作製し, 小児開心術14例に使用し良好な結果が得られた。
SHMOは膜厚100μ, 内径200μ, 全長20cmのシリコーンホローファイバー24000本から成り, 酸素送入は人工肺のホルダーに装備したマグネットファンにより行い, 気層内のチャンネリングを防ぐよう配慮した。
全例体外循環中の動脈血酸素分圧PaO2および炭酸ガス分圧PaCO2は満足すべき値が得られ, SHMOのガス交換能に不安はないと考える。血漿遊離ヘモグロビンの増加量は0.12~0.430, 平均0.273mg/dl/minと低値であった。血小板数は体外循環120分で8.7±0.9万/mlと10万以下となったが, 術後1日には16.5±3.9万/mlに回復し, 比較的良好な結果であると考える。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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