人工臓器
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中分子量物質関連指標による短時間透析の評価
鈴木 利昭西堀 文男松本 和之犬塚 信子佐中 孜太田 和夫酒井 良忠鬼沢 美知子国友 哲之輔菊地 広男菅野 恒博
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1983 年 12 巻 2 号 p. 680-683

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抄録
安定期透析患者6名を対象として中分子量物質(MMS)の除去の良いFiltryzer® B1-L (2.1m2)および低分子量蛋白まで除去するTK-401 (2.1m2)を用いて週3回3時間透析を目標とし短時間透析(STD)について検討した。MMS関連指標としては血中および濾液中のβ2-MG, 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)でのピーク2(P2)の測定を行なった。P2はTSK-G2000 SW+TSK-G3000SWを用いたHPLCによって分画され, その分子量は2000-4000と推定される。この物質は健康人の血中には証明されないが, 健康人の尿中ならびに尿毒症患者の血中に証明されている。またSTD患者の検査成績を5時間時のものと比較したところBUN, creat, Ht, β2-MG, P2ではそれぞれ100%, 109%, 106%, 53%, 85%であった。以上のことからB1-LならびにTK-401を用いたSTDはMMS関連指標からみても何ら問題はなく, 体重増加率5%以下の自己管理良好な症例ではSTDが可能であり, さらに蛋白透過型dialyzerによるHDFなどで一層の短時間化が可能となろう。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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