人工臓器
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ファロー四徴症根治手術における右室流出路再建の材質の検討
安倍 十三夫田中 利明泉山 修山口 保浅井 康文杉木 健司小松 作蔵
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1984 年 13 巻 1 号 p. 187-189

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抄録
教室で1980年4月より1983年7月末まで, ファロー四徴症に対して根治手術を施行した40例について, 右室流出路再建法について, 手術成績, 術後の血行動態から検討した. 対象は, 男性22例, 女性18例, 手術時年令4歳~56歳(平均11歳)で, 16例に姑息的手術を施行していた. 右室流出路再建法をI群: 漏斗部心筋切除と肺動脈弁切開3例, II群: 右室のみEPTFEパッチ拡大4例, III群: 1弁付きRygg心膜による拡大5例, IV群: 1弁付き自己心膜と右室EPTFEパッチ拡大28例, およびIV群で術後1~4年(平均1.6年)を経過した5例について, 術後の血行動態の検索を行った. 術後の血行動態として, 右室―肺動脈圧較差, 心拍出量, 左室・右室仕事量, 肺動脈弁閉鎖不全の程度は1群, IV群でII群, III群に比し良好で, IV群の5例でも, 術直後に比し良好に維持され, 手術成績でも手術死3例(7.5%)であるが, 最近の28例では連続して手術死亡を認めず, この内IV群は26例である.
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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