抄録
心臓中隔欠損孔の閉鎖や人工心臓弁の縫着に際して欠損孔縁や弁輪などの心筋組織の断裂防止と保護などを目的として、新しくmicroporous EPTFEを用いてspaghettiのtubepledgetを作成し、VSD, ECD, TFなどの根治手術やAVRなどの症例で使用した。作製したmicroporous EPTFE pledgetは1)内径0.8mm外径1.5mm、2) 内径0.8mm外径1.8mmの2種類で、そのpore sizeは約10μで、長さは3mmと4mmで使用した。昭和56年9月より昭和58年4月までにVSD, ECD, TFなどの根治手術129症例とAVR60症例の計189症例に約2000個のpledgetを使用してきた。作製したpledgetは従来の既製のpledgetに比してpledget自身の変形、反転、屈曲、ほつれ、縫合糸とのもつれもなく、その操作性は極めてすぐれており、これまでの経過観察においても縫合不全、canalization, 血栓塞栓駐などの合併症は一例もなくmicroporous EPTFE pledgetの有用性は極めて高い。現在も通常の臨床症例に使用している.