抄録
現在, 当施設で行なっている完全人工心臓の駆動方法には, 右心は定流量, 左心はスターリングの法則の適用を制御方法の原則としている。この制御系では, 左心系の上位に右心系が存在すると考えているが, その自動化を目的とし, 1), 左心ポンプに関しては, ポジションセソサによる左心駆動状態の信号を駆動装置にフィードバックし駆動条件を変える。2), 右心ポンプに関しては, 右心流量を制御量とし, 目標値との差を駆動装置にフィードバックし, 駆動条件を操作するという2個のフィードバックルーブを作成した。操作量に関しては, 各ループにおいて駆動陽圧, 駆動陰圧, 収縮期時間がデシジョンテーブルにより, 優先順位をつけられ, 操作される予定であるが, 今回は第一段階として, 左心, 右心とも, 駆動陽圧のみを変化させ, 他のパラメータ群は固定している。この2つのループを模擬循環装置上で作動させ, 系の自動制御を行ない, この制御系の解析を行なった。