人工臓器
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臨床用人工心臓駆動装置の開発
Bed side型と車椅子型
藤正 巌井街 宏宮本 晃渥美 和彦
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1984 年 13 巻 1 号 p. 245-248

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抄録
有限の期間の人工心臓の臨床応用および術後の社会復帰を目標として, 空気駆動方式の人工心臓システムの開発を行った。ベッドサイド型の人工心臓駆動装置は寸法77cm×47cm×100cm, 重量170kgでAC電源のみで左右両心ポンプを駆動でき, 30分の無給電運転が可能である。駆動系の調節は光通信路を介したリモートコーントローラでパラメータ変更が可能で, 種々の空気駆動方式の補助心臓血液ポンプおよび人工心臓液ポンプの駆動に対応できるよう, 内部の制御系はマイクロセッサで作られている。人工心臓や補助心臓の装着が一定期間を越えた場合のICUよりの転床と日常生活への使用を考え車椅子型の人工心臓駆動装置も開発された。駆動用空気流制御系は約40cm四方の大きさで電動車椅子内に取付けられ, 電子制御系は背もたれ内部に, モニター系は左手すりに取付けられている。本装置も臨床使用に先立ち, 長期間の耐久試験と動物実験に使用されている。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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