人工臓器
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心ブロック観察用待機ペースメーカの開発
牧野 秀夫風間 一也斉藤 義明荒井 裕三田村 好矩三上 智久
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1984 年 13 巻 1 号 p. 359-362

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抄録
デマンド状態に於て、失神発作を防ぎつつ長時間心停止状態を観測するための心ブロック観察用待機ペースメーカを開発した。心ブロック発生時の待機時間の決定には、血圧の降下状態を推定する電子回路によるシミュレータを使用し、自発リズムの間隔や期外収縮の発生に対し適切な待機時間を得ることが可能である。ペーシング用パラメータの入力やペーシング動作の制御には、CMOS型マイクロコンピュータを使用したため簡単な操作で装置を使用することができ、待機時間の観測、心ブロック後の生理的ペーシング、オーバードライブサプレッションをさけるためのペーシングレートの変更などの動作を自動的に行なうことができる。本装置は、電源として電池を使用しているため小型のケースに納められ手軽に持ち運ぶことが可能であり、アダムスストークス症候群の診断だけでなく、病態生理的な研究やペーシング中止の時期を知るためにも有用である。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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