人工臓器
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遠心式血液ポンプ(Bio-Pump)の基礎解析と臨床応用
田中 隆梅津 光生阿久津 哲造康 義治一橋 浩二藤田 毅得能 敏正
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1984 年 13 巻 1 号 p. 483-486

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抄録

弁機構, 羽根車を持たない遠心式血液ポンプのひとつであるBio-Pump (Bio-Medicus社製)について機械式循環系モデルを用い, 種々の流量特性試験を行った。その結果, 本ポンプは作動流体の粘性の影響を強く受け, 流量は回転数だけでなくポンプ前後間の圧差にも依存することがわかった。さらに回帰分析を行うことによって流量・回転数・ポンプ前後圧差の関係が明確になり, 体外循環で組込む回路が既知であればその回路における適正回転数をある程度予測できることが確認できた。Bio-Pumpを, 通常の開心術の際の体外循環に12例(平均1時間59分), 長時間V-Aバイパスに4例(平均46時間47分)用いた。最長例はMVR術後に膜型肺と組合せて使用した症例で75時間後に離脱に成功した。Bio-Pumpは耐久性も高く, 「オートフローモード」により安定した流量維持も可能であり, 特に長時間V-Aバイパスに有利であることが確認できた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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