人工臓器
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ポリプロピレン製膜型肺LPM-50のガス交換能の検定及び臨床応用
野村 文一広瀬 一松田 暉中埜 粛前田 世礼田村 謙二金香 充範西垣 恭一大竹 重彰川島 康生
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1984 年 13 巻 1 号 p. 544-547

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抄録
血液成分の損傷が少ないと言われる膜型人工肺の中でも, 落差脱血を利用して単一のポンプで運転可能なLPM-50肺を教室の1回通過法で検定し, 満足し得る酸素添加能, 及び炭酸ガス排出能を認め, その運転指標となる適正膜指数と人工肺制御指数を認めた。適正膜指数は0.5~1.5l/min/M2であった。人工肺制御指数は0.5l/min/M2の時0.4~0.7, 1.0l/min/M2の時0.8~1.2, 1.5l/min/M2の時1.0以上であった。
この指標に基づき, 成人開心術26例に臨床応用し, ほぼ満足しうる結果を得た。従来の膜型肺ではポンプより生体側に人工肺を設置するため, 拍動流ポンプ使用時には人工肺による圧損, 分離体外循環では1つのポンプ毎に人工肺が必要という繁雑さが問題であったが, LPM-50肺は脱血側に設置するためこれらの問題を解消し有用であった。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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